この記事の結論
結論:2023年に体外受精などの生殖補助医療(ART)で生まれた子どもは85,048人で、過去最多でした。総出生数に占める割合は約11.7%、およそ8.5人に1人です。日本全体の出生数が減り続ける一方で、ARTによる出生は増えており、2022年4月からは保険適用も始まりました。数字は、日本産科婦人科学会と厚生労働省の公表データにもとづいています。
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「不妊治療をしている人なんて、そんなに多くないでしょ」——妊活を始める前、私も心のどこかでそう思っていました。
体外受精を経て出産した今だからこそ言えるのですが、実際の数字を見てみると印象がかなり違います。
この記事では、厚生労働省や日本産科婦人科学会が公表している最新の公的統計をもとに、不妊治療の「今」を数字で整理してみます。感覚ではなくデータで見てみると、少し気持ちが軽くなる部分もあるかもしれません。
体外受精で生まれる子どもは8.5人に1人


日本産科婦人科学会が公表している2023年のARTデータブックによると、2023年に体外受精・顕微授精・凍結胚移植などの生殖補助医療(ART)によって生まれた子どもは85,048人で、過去最多を更新しました。同年の総出生数727,288人に対する割合は約11.7%、つまりおよそ8.5人に1人がARTによる出生という計算になります。
内訳を見ると、その95.0%にあたる80,774人が凍結胚移植(一度凍結した受精卵を後日子宮に戻す方法)による出生でした。私自身も体外受精・凍結胚移植を経て出産しているので、この数字は他人事ではありませんでした。
2023年の治療周期数は561,664周期で、こちらも過去最多です。「不妊治療をしている人は少数派」というイメージとは裏腹に、実際にはかなり身近な選択肢になっていることが分かります。
一方で、日本全体の出生数は減り続けている

厚生労働省の人口動態統計によると、2024年(令和6年)の出生数は68万6061人で、前年の72万7288人から4万1227人減少しました。合計特殊出生率も1.15と、前年の1.20からさらに低下しています。
出生数全体が減っている一方で、不妊治療による出生数・治療周期数は増え続けている——この対比は、妊娠・出産のかたちが少しずつ変わってきていることを表しているように思います。
出典:厚生労働省 人口動態統計
2022年の保険適用で何が変わったのか
不妊治療にとって大きな転機になったのが、2022年4月からの保険適用拡大です。人工授精・体外受精・顕微授精などが公的医療保険の対象になり、窓口負担は原則3割になりました。
- 対象年齢:治療開始時点で女性が43歳未満
- 回数制限:治療開始時40歳未満は通算6回まで、40〜43歳未満は通算3回まで
- 2022年3月以前に助成金を使って受けた治療回数は、保険適用後の回数にはカウントされない
私が治療を始めた当時はこの制度がなく、費用面でかなり悩みました。当時の詳しい費用感については別記事にまとめています。
→ 不妊治療にかかった費用のリアル——検査から体外受精まで実際の金額を全部まとめた
数字を知って、私が感じたこと
妊活・不妊治療をしていると、どうしても「自分だけが特別につらい状況にいる」ように感じてしまいがちです。でも実際には、同じ年に8万人以上の赤ちゃんが体外受精などの治療を経て生まれています。
数字を知ったからといって不安がすべてなくなるわけではありません。それでも「自分だけじゃない」という事実は、当時の私が知りたかったことのひとつでした。
この記事の図解・データは、出典を明記したうえで、ご利用いただけます。ルールは「引用・取材のご案内」をご覧ください。
データの出典
- 2023年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績(日本産科婦人科学会 ARTデータブック):出生児数・治療周期数・年別の表
- 厚生労働省 人口動態統計:出生数・合計特殊出生率
年ごとの推移のグラフは、データブックの年別の表から、体外受精・顕微授精・凍結融解胚移植の出生児数を合計して作成しています(万人単位に丸めています)。統計は更新されることがあるので、最新の数字は各機関の公表資料でご確認ください。
まとめ
- 2023年、ART(生殖補助医療)による出生児数は85,048人で過去最多——約8.5人に1人
- 一方で日本全体の出生数・合計特殊出生率は低下し続けている(2024年は1.15)
- 2022年4月から不妊治療が保険適用に(女性43歳未満、回数制限あり)
- 数字を知ることは、不安を少し軽くしてくれる材料になる
つらいと感じているのは自分だけではない——データはそのことをちゃんと裏付けてくれています。次は、私自身が不妊治療で実際にかかった費用について、正直にまとめた記事もあわせて読んでみてください。



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