この記事の結論
結論:令和6年度の正常分娩の出産費用は、全国平均で519,805円(約52万円)でした。これは、室料差額・産科医療補償制度の掛金・その他を除いた金額です。都道府県別では、東京都が648,309円で最も高く、熊本県が404,411円で最も低く、約24万円の差があります。出産育児一時金は令和5年4月から原則50万円で、平均の妊婦合計負担額は、直近(令和7年3月請求分)でも一時金の平均支給額を約9.9万円上回っています。数字は、厚生労働省の公表資料にもとづきます。
この記事は、私の体験ではなく、厚生労働省が公表した出産費用のデータを、図解して整理したものです。出産費用は、年々上がっていて、地域や施設でも大きく違います。「いくら用意すればいいの?」の目安づくりに、使ってください。
数字は、出産育児一時金の直接支払制度の請求データをもとに、厚生労働省 保険局が集計したものです。「正常分娩」は、分娩に関して保険診療が行われなかった分娩を指します。
全国平均はいくら?(令和6年度)

令和6年度(令和6年4月〜令和7年3月請求分)の正常分娩の出産費用は、全国平均で519,805円でした。ここでの「出産費用」は、妊婦が実際に支払う合計額(妊婦合計負担額)から、「室料差額」「産科医療補償制度掛金」「その他」を除いた金額です。この3つを含めた合計は「妊婦合計負担額」と呼ばれ、出産費用より高くなります。
出産費用は、12年でどれくらい上がった?

正常分娩の全国平均は、平成24年度の41.7万円から、令和6年度の52.0万円へと、約10万円上がっています。令和5年度は50.7万円、令和6年度は52.0万円と、近年は特に増えています。
病院と診療所で、費用は違う?

令和6年度の正常分娩の出産費用は、公的病院が48.4万円、私的病院が53.7万円、診療所(助産所を含む)が52.6万円でした。公的病院は国公立病院や国立病院機構など、私的病院は私立大学病院や医療法人の病院などを指します。公的病院がいちばん低い傾向があります。
都道府県別の出産費用(令和6年度)
令和6年度の都道府県別の平均(正常分娩の出産費用)は、次のとおりです。最も高いのは東京都(648,309円)、最も低いのは熊本県(404,411円)で、約24万円の差があります。
| 都道府県 | 平均の出産費用 | 高い順 |
|---|---|---|
| 北海道 | 453,579円 | 37位 |
| 青森県 | 418,787円 | 46位 |
| 岩手県 | 471,547円 | 32位 |
| 宮城県 | 526,211円 | 8位 |
| 秋田県 | 445,027円 | 40位 |
| 山形県 | 526,472円 | 7位 |
| 福島県 | 485,687円 | 25位 |
| 茨城県 | 531,021円 | 5位 |
| 栃木県 | 507,736円 | 16位 |
| 群馬県 | 525,253円 | 9位 |
| 埼玉県 | 533,274円 | 4位 |
| 千葉県 | 529,835円 | 6位 |
| 東京都 | 648,309円 | 1位 |
| 神奈川県 | 586,664円 | 2位 |
| 新潟県 | 509,563円 | 14位 |
| 富山県 | 516,401円 | 10位 |
| 石川県 | 495,022円 | 20位 |
| 福井県 | 458,688円 | 34位 |
| 山梨県 | 507,616円 | 17位 |
| 長野県 | 509,513円 | 15位 |
| 岐阜県 | 512,685円 | 12位 |
| 静岡県 | 507,354円 | 18位 |
| 愛知県 | 534,767円 | 3位 |
| 三重県 | 484,940円 | 26位 |
| 滋賀県 | 486,610円 | 24位 |
| 京都府 | 483,095円 | 27位 |
| 大阪府 | 492,842円 | 21位 |
| 兵庫県 | 515,350円 | 11位 |
| 奈良県 | 489,016円 | 23位 |
| 和歌山県 | 443,505円 | 41位 |
| 鳥取県 | 419,150円 | 45位 |
| 島根県 | 473,601円 | 31位 |
| 岡山県 | 510,815円 | 13位 |
| 広島県 | 503,176円 | 19位 |
| 山口県 | 451,531円 | 38位 |
| 徳島県 | 481,528円 | 28位 |
| 香川県 | 470,825円 | 33位 |
| 愛媛県 | 475,608円 | 29位 |
| 高知県 | 428,022円 | 43位 |
| 福岡県 | 491,359円 | 22位 |
| 佐賀県 | 453,609円 | 36位 |
| 長崎県 | 475,256円 | 30位 |
| 熊本県 | 404,411円 | 47位 |
| 大分県 | 456,710円 | 35位 |
| 宮崎県 | 437,034円 | 42位 |
| 鹿児島県 | 446,123円 | 39位 |
| 沖縄県 | 419,897円 | 44位 |
| 全国平均 | 519,805円 | — |
出典:厚生労働省 保険局(令和7年10月23日 第201回社会保障審議会医療保険部会 資料1)。出産費用は、妊婦合計負担額から室料差額・産科医療補償制度掛金・その他を除いた額です。
出産育児一時金はいくら? 費用との差は?

出産育児一時金は、出産にかかる経済的負担を軽くするために、健康保険や国民健康保険などから支給されるお金です。平成6年10月に30万円で始まり、令和5年4月から原則50万円(本人支給分48.8万円+産科医療補償制度の掛金分1.2万円)になりました。

厚生労働省の資料では、一時金が増額された前後で、妊産婦の経済的負担は一定程度軽くなったとされています。ただ、その後も平均費用は増えていて、令和7年3月請求分でも、平均の妊婦合計負担額が、一時金の平均支給額を約9.9万円上回っています(差額は、増額直前が129,980円、直後が77,827円、直近が99,045円)。
費目別の内訳(令和5年度)
費目別に見られる最新の全年度データ(令和5年度・正常分娩)は、次のとおりです。分娩料がいちばん大きな割合を占めています。
| 費目 | 平均額(令和5年度) |
|---|---|
| 入院料 | 122,898円 |
| 分娩料 | 298,898円 |
| 新生児管理保育料 | 51,572円 |
| 検査・薬剤料 | 15,738円 |
| 処置・手当料 | 17,433円 |
| 室料差額 | 18,429円 |
| 産科医療補償制度 | 11,767円 |
| その他 | 37,847円 |
| 妊婦合計負担額 | 574,583円 |
出典:厚生労働省 保険局(令和6年11月21日 第186回社会保障審議会医療保険部会 資料4)。各費目の平均額は四捨五入のため、合計と1円ずれることがあります。
よくある質問
Q. 出産費用と、妊婦合計負担額は何が違う?
出産費用は、妊婦合計負担額から「室料差額」「産科医療補償制度掛金」「その他」を除いた額です。実際に窓口で請求される実費は、妊婦合計負担額のほうです。
Q. 正常分娩と異常分娩は?
厚生労働省の資料では、分娩を含む入院期間中に、分娩に関連した保険診療が行われたものを「異常分娩」としています。この記事の数字は、正常分娩のものです。
Q. この数字は、自分の費用にそのまま当てはまる?
当てはまりません。施設・地域・分娩の方法・個室の利用などで大きく変わります。これは全国の平均です。実際の費用は、通う予定の医療機関に確認してください。
この記事の図解・データの引用について
この記事の図解は、出典を明記したうえで、ご自由にご利用ください(記事へのリンクをいただけるとうれしいです)。数字は、厚生労働省の公表資料にもとづいていますが、更新されることがあります。最新の数字は、各資料でご確認ください。
図解・データの引用のルールは、「引用・取材のご案内」にまとめています。
参考にした資料(厚生労働省)
- 医療保険制度における出産に対する支援の強化について(令和7年10月23日 第201回社会保障審議会医療保険部会 資料1):令和6年度の出産費用・都道府県別・出産育児一時金の推移
- 出産費用の状況等について(令和6年11月21日 第186回社会保障審議会医療保険部会 資料4):令和5年度の費目別の内訳
※この記事は医療的・金銭的なアドバイスではありません。出産費用は施設や地域、分娩の状況によって変わります。



コメント